つかまり立ち
つかまり立ちを始めた頃は身体を前に傾けて立ちますが、徐々に身体を起こして立ち続けながら遊ぶことが増えてきます。
立ちながらつま先立ちや手を伸ばすことなどを通して左右の体重移動をしたり、足を曲げて上下にダンスしたりしながら立位バランスを習得していきます。
つかまり立ちを始めたばかりの時期は、ソファーやローテーブルに両手をつかせ、脇や腰を支えてあげると立ちやすくなります。
また上手に座る練習としてお尻を後ろに動かし股関節を曲げながらお尻を落とす練習をするのも良いでしょう。
つかまり立ちの時期は個人差が出やすいため、無理に立たせる必要はありません。
特にハイハイをせずに立位へ移行した子は手足や体幹の筋力が弱いためバランスが悪く転倒しやすいです。
その時はハイハイでの遊びをたくさん行うと良いでしょう。
伝い歩き
つかまり立ちが安定してくると伝い歩きを始めます。
最初は左右方向への横移動を始め、徐々に前へ向きを変えて移動することができるようになります。
歩き方は足全体を大きく曲げるか伸ばすかで歩きますが、伝い歩きの経験を積むことで足を高く挙げなくても歩行できるようになります。
両手を補助して保育者が歩かせる時は後ろから赤ちゃんの両手を持ち、肩の高さかそれよりも低い位置で胸の前へ置きます。
そうすることで背中が反らずお腹の筋肉を使いながら歩くことができます。
伝い歩きが安定してきたら腕が上がっていた方が自分でバランスを取りながら歩きやすくなりますので、身体を反らせていないか様子を見ながら両手の支える高さを上げていきましょう。
また手押し車などを使いながら歩くことを一緒に楽しみましょう。
歩き始める
11ヶ月頃になると床から支えがなく立ち上がることや、短いながらも一人で立つことができるようになります。
そして1歳頃から数歩歩き始めます。
最初は両手を上に挙げた「ハイガード」と呼ばれる姿勢となり、手でバランスを取りながら歩きます。
歩く経験を積みながらバランスが崩れそうになる時に足が1歩出るステップ反応などが出現し、倒れないように身体をコントロールできるようになります。
そして1歳4か月を過ぎてくると後ろ向きで歩くなど自由に歩くことができるようになります。
靴選びも大切
歩くことが上手になり始めたら靴選びも重要です。
2歳以降から運動量が増えることで足の土台である骨や筋肉が発達していきます。
子供の足は横幅が広く指が扇形となり厚い脂肪で覆われ、足の土台の骨が軟骨の状態でまだ安定していません。
このためカットが浅すぎない、踵が固くてつぶれない、靴の中で指が動かせて足趾で蹴れるように靴底が指先の位置で曲がりやすく、靴の中で滑らないように甲の部分をベルトで固定できる物が良いでしょう。
執筆者 理学療法士 山田 光沙子