みなさん、こんにちは。
医療的ケアのある息子を育てる母、かしまです。
今回はQ&A第三弾「入院、通院時の助成制度」についてご紹介します。
生まれてからの入院代、退院後の通院にかかる費用など心配事は尽きないですよね。出産を控えている方も、お子さんが入院中の方も、この記事を読んで少しでも不安を解消できる力になれたらと思います。
なお、私がご紹介するのは「先天性心疾患」「気管切開」「人工呼吸器装着」「経管栄養(胃ろう)」の息子が経験したお話で全ての制度を網羅しているわけでなく、あくまで体験談としてお読みいただけますと幸いです。
Q:生まれた後、病院でかかる費用はどれくらい? どんな制度が使える?
A:お子さんが誕生した後すぐに入院する場合、NICUという病棟に入ります。
入院にかかる費用は病院にもよりますが、大体1泊約5~10万円です。
この金額は全額請求されるわけではなく、
①健康保険2割負担
②健康保険の高額療養費制度
③小児慢性特定疾病医療費助成制度
④重度心身障害者医療費助成制度
等を利用することで自己負担額を0円にすることができます。
それでは一つずつご説明していきます。
①健康保険2割負担
健康保険に加入していれば0歳~小学校入学前までは医療費の自己負担額が2割となります。
これは全員一律の制度です。
②健康保険の高額療養費制度
入院が決まった際に使うべき制度です。
高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分があとで払い戻される制度です。
高度な治療や手術が必要になった場合、医療費は2割負担と言っても数十万円かかることもあります。
その際に「限度額適用認定証」をご加入の健康保険組合から発行してもらい、病院の会計窓口に提出すると適用され、自己負担額が緩和されます。
③小児慢性特定疾病医療費助成制度(保健所管轄)
「小児慢性特定疾病」と呼ばれる国が指定した16疾患群788疾病を対象に適用される制度です。
病名や程度により月額の自己負担金額が設定されており、その金額に到達すると窓口での請求が止まり、医療機関から国へ直接請求を行ってくれるため、保護者の自己負担が少なくなる制度です。
うちの場合は「慢性心疾患」に該当する病名があったため、受給者証を申請することができました。
受給者証取得までの手順は以下のとおりです。
①病名確定後、主治医より小児慢性特定疾病対象である旨の説明、申請確認をされる。
↓
②病院側で保健所へ申請
↓(2〜3ヶ月)
③保健所より小児慢性受給者証が発行される
↓
④病院の会計窓口に提出後、制度適用開始
・受給者証が発行されるまでの期間にかかった医療費に対しても還付形式で申請可能。
・1年に1回更新があり、医師の診断書とともに保護者が申請書を保健所宛に提出する。
息子の事例では、人工呼吸器装着時(最重度)は月500円、心疾患のみは月1万円の上限金額でした。
こちらの自己負担額についても、以下④の制度で助成されます。
入院時や退院後の通院時、薬局や訪問診療、訪問看護などその疾病に関わる内容であれば全て本制度を適用することができます。何かある際にはいつも保険証と一緒に提出しておくと安心です。
なお、小児慢性が対象となる会計は②で紹介した「高額療養費制度」は適用されなくなります。(負担額の少ない小児慢性が優先されるため。)
④重度心身障害者医療費助成制度(自治体管轄)
医療機関で支払った自己負担額(自費治療等保険対象外は除く)を自治体から助成してもらえます。
身体障害者手帳所有者のほかに精神手帳・療育手帳なども級数により対象となります。
本制度があることで自己負担額は実質0円となります。
注意点として、一度自己負担額は医療機関に支払う必要があり、後日領収書とともに申請書を市役所に提出後、指定口座へ入金となります。
地域により名称や制度が異なる場合もあります。
まとめ
今回は入院時、通院時に関わる助成制度の話でしたが、他にも障害の有無、重症度により国や自治体から支給される手当もあります。
詳細は各自治体でご案内があるため、お子さんが該当するかどうか聞いてみる事をおすすめします。
みなさんを支える制度は必ずあるため、どうかひとりで抱え込まないでくださいね。