みなさん、こんにちは。
医療的ケアのある息子を育てる母、かしまです。
今回はQ&A第二弾「家族を支えるサービス」についてご紹介します。
「気管切開」と「胃ろう」のある息子を育てる当事者として体験談をお届けします。
〜家族を支えるサービス編〜
Q:退院後、家族以外に医療的ケア児の日常に関わる人はだれ?
A:主に以下の方々がサポートしてくれます。
①訪問診療をしてくれる医師の先生・看護師さん
自宅に訪問してくれるお医者さんです。
定期診療(体調確認、胃ろう交換や気管切開カニューレの交換等)や予防接種、緊急時に相談でき薬の処方もしてもらえます。
うちはRSウイルスやコロナの検査等必要なときにキットを使って検査をお願いしたこともあります。
来宅回数は診療先によって違いますが、うちの場合は定期診察が月2回あります。
②訪問看護をしてくれる看護師さん
↑訪問看護の様子。遊んでもらいながら必要に応じて吸引を行います。
日常に必要な医療的ケアやお風呂のお手伝いをしてくれる看護師さんです。退院後はケアに慣れておらず、お風呂に入れるのも一苦労だったため看護師さんに助けていただきました。今では看護師さんに子どもを見てもらい、家事を済ませたり買い物に出かけたりしています。
来てもらえる時間は1日1回あたり1時間~2時間程度で、訪問看護ステーションの併用もできます。(※本人の重症度とケア内容による。)
うちの場合、2か所の訪問看護ステーションに依頼をして月・火・木・金の週4回のうち各2回ずつ入ってもらっています。(同日中に2つの訪問看護ステーションが入るのは規則上不可。)
③リハビリをしてくれる方々(PT、OT、ST)
退院後は体が固まり動きにくくなっているため、リハビリを行い発達を促していきます。リハビリ担当者は主に以下3分野で、うちはPT週1回、OT週2回、ST月1〜2回程度お願いしています。
・PT…うつ伏せ、寝返り、座位、立位など運動能力向上(または維持)の練習をする。
・OT…食事をするための手の動きやトイレの練習等、日常生活に必要な動作を練習する。
・ST…摂食嚥下の発達(食べる練習)を支援する。
↑PTさんとのリハビリ。歩く練習を行っています。
↑OTさんとのリハビリ。座位を取りつつスプーンを掴んで口に持っていく動作を練習します。
※上記①②③の手配は全て入院先の病院が依頼するため、親が手配するものではありません。病院から病状、ケア内容を伝えて各所連携を取ってもらいます。
退院する前には関係者会議があり、それぞれの担当者と顔合わせを行うのが一般的です。(うちはコロナ禍でオンライン開催でした。)
Q:子どものケアができない事情(親の体調不良、冠婚葬祭など)があるときに預かってもらえる先はあるの?
A:「レスパイト」といい、病院に入院する形で預ける事ができます。
シャインキッズがある埼玉県和光市では、市内外含め3か所のレスパイト先を紹介しています。
入院中はHCUや小児科病棟に子どもを単身で預け、医療従事者にケアを任せて親は一時的な休息を取ることができます。
利用人数に対して受入れ枠が少なく、申込が殺到して希望の日程が取れない点や、施設が遠い、利用開始までに時間がかかるといった課題があります。
申込方法は各施設の外来窓口やオンライン、電話等で申し込めます。
Q:体調が落ち着いてきたけど、お友達との交流や発達を促すにはどうしたらいい?
↑児童発達支援センターでの様子。季節に合わせた製作をお友達と一緒に行います。
A:「児童発達支援」がおすすめです。
「療育」と言われる場所も同様のサービスを行っています。内容はその子にあったアプローチで日常生活動作を練習したり、五感を刺激する遊びを行います。
自治体の相談員さん経由で通える施設を探してくれます。
医療的ケア児の場合、受け入れる施設が限られており市区町村を超えて利用するケースも多いです。
バス送迎がある施設もありますが、気管切開があると乗車できないなど条件があるためご利用前に確認することをおすすめします。
次回はQ&A第三弾「助成制度とお金事情」をお送りします。
本コラムの項目以外でも、医療的ケア児に関する皆様からの疑問・質問がありましたら是非ご意見をお寄せください。