Care

医療的ケア児向け

医療的ケア児の日常

みなさん、こんにちは。

医療的ケアのある息子を育てる母、かしまです。

最近になり「医療的ケア児」という言葉は世の中に知られるようになってきましたが、

実際にどんな生活を送っているのか知らない方も多いかと思います。

また、ネットで調べてみても情報が少なかったり、実際の生活が見えてこず不安が強くなったりしますよね。

そんな中で私と息子の体験談や医療的ケアのあるくらしをコラムにし、少しでも情報をみなさんに届けたいとの想いで書き始めました。

第一弾の今回は、息子のプロフィールを中心に医療的ケアの内容をご紹介します。

自己紹介

あっくん(2歳)

40週、3,061gで生まれる。

生後343日目まで病院で過ごし、現在は自宅で元気に成長中。

★医療的ケアの内容:気管切開(痰の吸引)、胃ろう(経管栄養)

① 気管切開について

お腹にいる時に先天性心疾患があると判明。

誕生後すぐにNICUに入り、生後14日目で初めての心臓手術。

術後に人工呼吸器離脱を試みるものの、苦しくなり抜管できず生後3ヶ月のときに気管切開の手術をする。

以降1年間は人工呼吸器装着、1歳6ヶ月のときに人工呼吸器離脱して24時間過ごせるようになる。

今は誤嚥防止のため気管切開を残している。

【日常のケア】

・ゴロゴロと音が鳴り、痰が上がってきたら吸引実施。

(吸引頻度は早くて1分に1回のときもあれば、30分以上必要ないときもある。)

・お風呂あがりにカニューレに挟んでいるYガーゼと、首周りを止めているバンドを交換。

・夜寝る前に吸入器(ネブライザー)で加湿

加湿目的のため、蒸留水を使い気切孔に当てる。

・カニューレ交換(1ヶ月に1回、医師が立ち会いの下親が行う。)

② 胃ろうについて

生まれてすぐNICUに入院したときに、鼻から胃まで届くチューブを挿入して経管栄養が始まる。

重度の心疾患があった息子は口からミルクを飲むことすら体力を消費して疲れてしまうため、ほぼ口から飲まずに経管栄養で飲んでいた。

その結果、長らく口から食べなかったことにより嚥下の練習が必要となり、今でも食べることが苦手で日々練習中。

胃ろうにしたのは2歳になって少しした頃。

ミルク以外にもミキサー食がいけることや、家族のQOL向上、安全面のメリットも含めて胃ろう造設を決断。

【日常のケア】

・胃の内容物確認

胃ろうにコネクターを接続し、シリンジを使用して胃の内容物をチェックする。(注入前に毎回実施)

・お薬注入

粉薬を水で溶き、シリンジで吸い上げて胃ろうから注入する。

・ミルク注入

ミルクを注入用のボトルに入れ、栄養チューブと接続して胃ろうからミルクを入れる。

あっくんの場合、1秒1滴ペースでミルクを滴下して、1.5時間かけて注入する。

(早く入れすぎると吐いてしまう可能性があるため。)

・バルーン固定水の交換(1週間に1回、自宅で親が行う。)

・胃ろうの交換(1ヶ月に1回、必ず医師が行う。)

③ その他

先天性心疾患の影響で徐脈があり、1歳のときにペースメーカーを入れる。

日常に不便はなく、ケアも必要無し。

医療的ケアはいつ教わるの?

①、②で紹介した日常のケアである医療行為のやり方は、あっくんが入院中にNICUの看護師さんから教わりました。

NICU内で私たち親が実際にケアを行い、合格点が出るまで何回も繰り返します。

母だけでなく、父も同じく退院までに習得しました。

退院前に2泊3日の付き添い入院を行い、一日の流れを覚えてから自宅に帰ったため、実際の生活でも対応することができました。

入院中は医療的ケアを抱えながら息子が成長していく姿をイメージできませんでしたが、今となっては立派に育ってくれています。


次回以降は医療的ケアに関するQ&Aや、日常生活の様子をコラムにしていきたいと思います。

井上綾乃

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